債務超過はあったのか

みんなの大家さんの口コミや評判で最もコメントの対象となっているのが、債務超過の問題です。

口コミ評判は本当か?みんなで大家さん債務超過の真偽

債務超過は、大阪府がみんなの大家さんの販売会社の資産状況を、出資者の財産を預かるにふさわしくないと判断した最重要ポイント。

この債務超過に関しては大阪府とみんなで大家さん側との主張が食い違っているのですが、それは資産計上に関する考え方の食い違いによるものとのことです。

大阪府は都市綜研インベストファンド(みんなで大家さんの営業会社)の平成23年度貸借対照表が幾つかの誤った会計処理により、約31億円の資産過大計上となっていると主張しました。

具体的には、不動産特定共同事業の対象不動産の取得原価に含めるべきでない項目(支払利息や広告・宣伝費など)を計上しているため、資産が実際よりも多くなっているというものでした。

この項目を会計に含める・含めないは、大阪府が基準とする法律(不動産特定共同事業法)と、みんなで大家さん側が基準とする法律(法人税法)で異なっており、どちらが優先されるかという明確な規定は曖昧なよう。

個々の解釈に依存する会計処理に関する主張は、どちらが正しくてどちらが間違っていると、簡単に結論はだせません。

それに、みんなで大家さんが同様の処理を行っている他の物件では、問題を指摘されていないといった点も、事態を非常にわかりづらいものにしています。真実はなんともいえません。

とはいえ、都市綜研インベストファンドが処分後の発表後に、出資者に向けた経営実態の説明そのものは、誠実な印象を受けることは確かです。

そのときの資料によると、保有不動産の総額は貸借対照表(25年3月期末予定)ベースで100億円、不動産鑑定評価ベースで88億8千万円となること。

実質の債務は、対象不動産取得の借入金が約11億4千万円の債務残高で、この債務を88億8千万円から差引いても77億4千万円の純資産があること。

実質的に大阪府が指摘する様な31億円の債務超過の状況にはないこと。これらが明快に説明されています。

また、行政処分が行われてからも配当が欠かされていないこと、現在も順調に事業を継続していること。こうした事実こそが、会社や商品の正当性、合理性を示していると思います。

債務超過とは?

債務超過

債務超過とは会社が所持している資産の金額よりも、会社が抱える負債の金額の方が多いこと。つまり負債に対して資産を全て現金化して、当てることにしたとしても賄いきれない状態のことを言います。

債務超過を起こすとどうなるのか

では資産よりも、負債が上回ると会社は倒産してしまうのか?決してそうとは言い切れません。
たとえ負債が上回っていても、資産というものは直ちにはなくならないので債務超過になっている状態ではありますが、資金自体が底をついている訳ではありません。
あくまで資金は残っている状態なので、経営は行えますが極めて破産寸前のレッドゾーンに位置していると考えてください。
よく経営が悪い状態で営業している会社のことを自転車商業と言いますが、これはまさに債務超過を起こしている会社のことで、売上なんてものは二の次で資金よりも負債が上回らないことを目的としている会社となってしまいます。
もしもこの状態が長期化してしまうと、間違いなく破産してしまいます。

債務超過が起こる流れ

よく経営が悪い会社に対して「赤字」なんて言葉を聞くかもしれませんが、債務超過は赤字が長期化して起こることなのです。
赤字というのは1ヶ月スパンの経営状態でよく使われる言葉で、赤字のラインを行ったり来たりしているうちはまだ良いのですが、赤字が続いてしまった末の状態が債務超過になります。
資金を形成する一つの純資金というのは、もともと株主からの出資金と企業が今まで稼いできた資金の貯金から形成されています。
この純資金は赤字になってしまうと企業の経営を維持していくための補填に当てられ、赤字が続くと徐々に純資金も減っていくわけです。
そして徐々に純資金が負債に追いつかなくなり、純資金が負債を上回るこの状態が債務超過ということになるのです。

回復は難しい

一旦債務超過になると正直、回復するのは難しいのが現実です。
実際に日本で起こった債務超過から回復した事例の一つでは、某有名家電メーカーが今まで順調にいっていた看板商品の事業に失敗してしまい、債務超過を抱える事態に陥りました。
なんとか回復に向かって試行錯誤していましたが、結局自分たちの力だけでは厳しくなり、自分たちの技術を他国の家電メーカーに売ることを条件に子会社として傘下に入り、その出資金で債務超過を逃れることになりました。
このように一旦債務超過を起こしてしまうと、どんなに大きい企業でも自分たちの力だけでは厳しいのです。